……どうしようもなく、愛おしすぎる。

 しばらくしてから俺は流石に強引すぎたと反省し、和凜を解放した。

「悪かったな、せっかく弁当も作ってきてくれたのにこんな事してしまって。」

「いえ、全然大丈夫ですっ! 私は気にしてないので、絆那さんもあまり思い詰めないでくださいね?」

「……あぁ。」

 気にしてない。そう言ってもらえて良いのか、悪いのか。

 確かに過剰に気にされるよりは、はっきりと気にしてないって言ってもらえたほうが楽なのかもしれない。

 だが……意識されてないって思うと、かなり落ち込む。

 元はと言えば俺が悪いから、俺がどうと言える事じゃないと分かってはいるが。

「お昼休憩の時間なくなっちゃうので、お弁当食べましょう?」

「そうだな、頂く。」

「はいっ! お口に合わなかったら申し訳ないですけど……。」

 いや、その心配は必要ない。

 そんな気持ちを込めて、優しく和凜の頭を撫でる。

 さらさらした和凜の髪に俺の手が当たり、一瞬だけ和凜が驚いたのが分かった。