ぎゅっと優しい力で和凜を抱きしめて、幸福感に包まれる。

 やはり和凜は俺にとっての天使だ。可愛いが過ぎる。

 ……俺は普段の興味が薄い分、興味を持ったものには強引になってしまう傾向があるらしい。

 そのせいで、和凜を困らせてしまったかもしれない。

 そう思って自己嫌悪に陥り、弱音のように和凜に吐き出した。

 ダメ、なんて自己嫌悪になった俺に対して和凜はどう思うだろうか。

 引いてしまう? こんな困りものの男なんて嫌だと思う?

 嫌な方向ばかりに考えるも、和凜はその考えを覆すような事をいとも簡単に言ってくれた。

『確かに絆那さんは強引です。びっくりしちゃいましたし、どうしてだろうって考えたりもしました。だけど、そこが絆那さんなんだなって思ってます。』

『私はそんな絆那さんだから、優しいって思ってるんですよ?』

 どうして和凜はこんなにも優しいのかが、俺には分からない。

 普通なら一目惚れしたって言われたら困るはずなのに、しっかりとした返答をしてくれて。

 俺のことを考えて、弁当も作ってくれた和凜。