思いの丈を、そのまま飾らずに口に出す。

 すると絆那さんは一瞬驚いたように、だけど嬉しそうに目を細めた。

「ありがとな。和凜にそう言ってもらえて良かった。」

 その頬は、とても気を許しているように私に見えた。

 私は絆那さんの言葉に、小さく首を横に振る。

「それは私もです。私のほうこそ、絆那さんに会えて良かったです。」

「……なぁ、もう一回抱きしめても良いか? 可愛すぎて困るんだが。」

「へっ……!?」

 だ、抱きしめてもって……改めて、そう言われると恥ずかしいっ……。

 でも熱い絆那さんの視線に見つめられ、Noとは言えなくなってしまう。

「す、少しだけですよ……?」

「もちろんだ。」

 長時間は私の心臓がもたないから、最初にそう言っておく。

 恐る恐る許可を出してみると、瞬時に温かい体温に包まれる。

 こんな、恋人同士がするような事……恥ずかしさが半端ない……っ。

 その瞬間に抱きしめる腕に力がこもった気がしたけど、もうキャパオーバーな私はそこまで気が付かなかった。