“星出、俺失恋した”

あたしらしく応援したくて、今だって虹叶の恋を応援してる。

たとえ叶わなくても恋は恋だから。


だからこそ、初ちゃんを一途に想い続ける姿に羨ましく思ったんだ。


初ちゃんのことを考えて、見つめて…

追いかけ続ける姿が、視線が…

そんな風に想われたら幸せだろうなぁって、いいなぁって…


そう思ってたらあたしの恋は始まっていたの。


1番近くで見て来たのに、こっちには見向きもしてくれなくて。

ずっと寄り添って来たのに、あたしには興味なくて。


悔しいほどに、羨ましかった。


「…あたしもそろそろ帰ろうかな」

瞳が熱くなる。

これ以上ここにいたら余計なことばかり考えちゃいそうで、あたしらしくなくなっちゃう…

そうだよね。

ゆっくりと残りのカフェラテを口に含んだ。

すっかり冷めてしまって、冷たさを感じるほどだった。

「………。」

例えば、例えばの話。

あたしがクリスマスプレゼントを用意したとして、虹叶は何を思うかな?

「…ないか」

あたしからプレゼントってね、そんな柄じゃないしね。

なんか変な空気になっても困るし、それで年越すのも嫌だし、でも…

“大事なパートナーじゃないですか”

それは間違ってない。

ゆっくりと始まっていった恋はもう引き返せなくて。

不毛な恋だとわかっていても、少しでも瞳に映りたいって思ってしまう。

だって、それが恋だと思うから。