雪に言われた通りの場所に向かう。

その場所が近づいて来ると、声が聞こえてきた。

「ねぇ、雪ぃ。好きだよ」

「うるせぇ、近づくな」

「もぅ、そういう冷たいとこも好き♡」

猫撫で声の女性と、雪の声。

壁の陰から、二人の様子を窺う。

あの日と同じシチュエーションに、嫌な予感がする。