「ねえねえ、知ってる?集団での集まりって一人一人が弱いんだよ?」
相手を煽るように鋭い瞳で見つめる
「あぁ!?なんだと!?」
やっぱ、こういう奴らって挑発に乗りやすいんだな
「ねえ、一人で戦えないの?そういうの僕嫌い」
相手は怒り狂ったのか、暗闇のなかで光るモノを投げてきた
それはちょうど僕の首にかかってあるペンダントにあたった
パリンッ
粉々になるペンダント
「あぁ……君はいつでも僕を守ってくれるんだね…」
ふざけるな……このペンダントだけは絶対に壊しちゃいけないのに
いつもの冷静さなど一切なく少年は大人数に素手で殴りにいく
相手も少年も血だらけでもうふらふらや状態だった
「ねえ、あんたはなんで悪の道にいっちゃったの?」
「お前には分からないだろ!?家族を全員殺された俺の気持ちを!?」
その回答をきいたとき僕の殴る手がとまった
「僕と……同じか……」
瞳のなかには真っ黒で光を拒絶しているような目
「だめだよ……僕みたいになっちゃ…」
無差別には人を殺さない
人を理由もなく殺そうとしている奴を僕が先に殺す
そのはずだったんだけどさ……
猫の面を手にかけ外す
「ねえ、僕を殺して?」
もういいや……
僕を殺してあんたの気が晴れるなら…
僕は、殺されてでもあんたを正しい道に導く
僕を殺すのならあんたみたいな奴らがいい
君たちは絶対に正しい道に進める
「僕の予想はよくあたるんだから…」
ニコッと笑った少年は誰よりも綺麗で可憐だった
「今行くよ……海……」
そういった少年は、血まみれになりながらも粉々のペンダントを少年は握りしめた…
Fin.