いよいよ今日はクリスマス・イブ。
ホテルは大勢のお客様で賑わい、どの部署も大忙しになる。
今年もツリーの前には、チェックアウトの人達が写真を撮ろうと、朝から列が出来ていた。
早瀬は、ロビーの様子をしばらく見守ってから最上階に上がった。
「おはようございます」
総支配人室に入ると、一生は、お?と顔を上げた。
「おはよう。お前、今日は休まなくていいのか?クリスマス・イブだぞ?」
「一生さんは彼女出来たんですか?それなら休みますけど」
ぐっ…と一生がうめき声を上げる。
「けど、お前だって出来なかったんだろ?」
早瀬はコートを脱ぎながらサラッと答える。
「出来ましたよ。好きな人」
「えっ!ほんとか?」
(…まあ、嘘ではない)
「じゃあ今日は休め!待ってるんだろ?彼女」
「いや、仕事してます」
(…これもまあ、嘘ではない)
「そ、そうか。でもお前、今日はちゃんと定時で上がれよ。上がらせるからな!」
なぜそんな、気合いたっぷり?と苦笑いしつつ、早瀬は頷いた。
ホテルは大勢のお客様で賑わい、どの部署も大忙しになる。
今年もツリーの前には、チェックアウトの人達が写真を撮ろうと、朝から列が出来ていた。
早瀬は、ロビーの様子をしばらく見守ってから最上階に上がった。
「おはようございます」
総支配人室に入ると、一生は、お?と顔を上げた。
「おはよう。お前、今日は休まなくていいのか?クリスマス・イブだぞ?」
「一生さんは彼女出来たんですか?それなら休みますけど」
ぐっ…と一生がうめき声を上げる。
「けど、お前だって出来なかったんだろ?」
早瀬はコートを脱ぎながらサラッと答える。
「出来ましたよ。好きな人」
「えっ!ほんとか?」
(…まあ、嘘ではない)
「じゃあ今日は休め!待ってるんだろ?彼女」
「いや、仕事してます」
(…これもまあ、嘘ではない)
「そ、そうか。でもお前、今日はちゃんと定時で上がれよ。上がらせるからな!」
なぜそんな、気合いたっぷり?と苦笑いしつつ、早瀬は頷いた。