魔法のいらないシンデレラ【書籍化】

「早瀬、開けてくれ」
「はい」

マスターキーを差し込み、鍵のランプが青に変わる。

ドアノブに手をかけた早瀬の手を、瑠璃が止めた。

「あの、最初に私だけ行かせてください。女性のお客様ですし…」

少しためらったあと、一生は頷いた。

「何かあったらすぐ呼んでください。ここにいますので」

瑠璃は、はいと返事をしてから、ドアを開けた。

「失礼します。麗華様?いらっしゃいますか?早乙女です」

声をかけながら、部屋に入っていく。