「そんな時、ちょっとしたことがきっかけで、このホテルで働くことになりました。意欲的に自分から働きたいと思った訳でもなく、むしろ自分に出来ることなんてあるのだろうかって、最初はそんな感じでした。でも、気づけば仕事に夢中になっていました。ここで働くと、なんて言うか、心が豊かになるんです」
「心が、豊か…?」
怪訝そうに聞き返す麗華に頷く。
「ええ。お庭でお花の写真を撮っていると、この時期にはこんなお花がきれいに咲くんだなーとか、季節のイベントを企画していると、毎日をとても愛おしく大事に思えたり。お客様の喜ぶ姿や、大きな仕事を一緒にやり遂げた時の仲間の笑顔。私の周りには、こんなにもすてきなことがいっぱいあるって。それが嬉しくて、楽しくて…これが私の幸せなんだって。だから…」
瑠璃は、麗華の顔をしっかり見据えて言う。
「今、このホテルで働けることを、私は誇りに思います」
輝くような瑠璃の笑顔に、一生は、とてつもなく大きな感情が押し寄せ、体中がしびれるのを感じた。
両手の拳を握りしめ、必死に涙を堪える。
早瀬もまた、目を潤ませながら唇を噛み締めている。
瑠璃はもう一度、麗華の手を両手で優しく包み込んだ。
「心が、豊か…?」
怪訝そうに聞き返す麗華に頷く。
「ええ。お庭でお花の写真を撮っていると、この時期にはこんなお花がきれいに咲くんだなーとか、季節のイベントを企画していると、毎日をとても愛おしく大事に思えたり。お客様の喜ぶ姿や、大きな仕事を一緒にやり遂げた時の仲間の笑顔。私の周りには、こんなにもすてきなことがいっぱいあるって。それが嬉しくて、楽しくて…これが私の幸せなんだって。だから…」
瑠璃は、麗華の顔をしっかり見据えて言う。
「今、このホテルで働けることを、私は誇りに思います」
輝くような瑠璃の笑顔に、一生は、とてつもなく大きな感情が押し寄せ、体中がしびれるのを感じた。
両手の拳を握りしめ、必死に涙を堪える。
早瀬もまた、目を潤ませながら唇を噛み締めている。
瑠璃はもう一度、麗華の手を両手で優しく包み込んだ。



