「…里、依里、起きて。朝だよ」 「ん…、は、ると、さ…?」 「そうだよ。早く起きて、俺の相手をして?」 耳元で、晴人さんの低い声が直接注がれる。 「…おはよう、ございます」 まだ睡眠を欲する体に鞭打って、体を起こす。 「おはよう、依里。ごめんね。本当はもっと寝かせてあげたいんだけど、そろそろ時間だから」 「大丈夫です…、ご実家に行く準備しますね」