「ふふっ、さすが親子ね。本当にそっくり」

母さんの言葉に、俺は幼いころの両親の姿を思い浮かべた。

俺が幼いころ、父さんは母さんをよっぽどのことがない限り、外に出そうとはしなかった。

出かけるとしても、目視できるだけで何人もの女性SPをつけ、

姿見えぬ場所からも、数人の護衛をつけさせていた。


俺はそんな過保護な父さんの気持ちが知れなかった。

なんでそんな過保護になる必要があるのか、意味が分からなかったが、

依里に出会ってから父さんの気持ちが、少しづつ理解できるようになった。


自分が作った鳥かごの中で、何の憂いもなく安全に過ごしてもらいたい。