朝なけに

「あのバーの時、俺とアカネちゃんが話していたら凄く不機嫌そうにこっち見てたな、あの子。
嫉妬だとしても、あれは友達に向ける目じゃないよ」


そうクスクスと笑っている。


「それは…、萌香は照さんを本当に気に入ってるから嫉妬するのは仕方ない事だと思います。
それに萌香はあの時体調も悪かったから！
それでさらに不機嫌だったのだと思います」


あの時、萌香はもう熱があったみたいだし、早く帰りたかったのだろう。


「この先、俺ら三人とアカネちゃんが仲良くなって行ったら、
あの子、アカネちゃんの事ますますうざがるだろうね」


「え、あの…、どうしてですか？
俺ら三人って、照さんだけじゃなくて中さんや千里さんも」


「ほら？俺ら自分で言うのもあれだけど、けっこうカッコいいから。
きっと、アカネちゃんがそうなったら面白くないだろうな。
イケメンに囲まれるアカネちゃん。
逆ハーってやつ。
妬まれるだろうな」


「でも、照さんはともかく、中さんや千里さんには萌香興味ないし。
それどころか、私に中さん達はヤバそうだからあまり関わらない方がいいって心配してくれて」


"――あのバーのお金も、本当は払わなくてもいいんでしょ？
キャバクラも辞めて、もうあの中さんって人に関わるの辞めなよ！――"


必死にそうやって萌香は心配してくれて。


「まあ、アカネちゃんはそのまま純粋で居て。
ただ、あの萌香って子とは、友達辞めた方がいいと思う」


「そんな…」


いや、なんでって、照さんの言う事に対して思うのだけど。
ふに落ちる。
こんなにモヤモヤしながらも友達関係を続ける意味はないんじゃないかって。