「昨日の夜、照さんと、"中さんも修司さんの店だろう?"って感じの事を言ってましたよね?」


「ああ」


「千里さんはあの後、その修司さんの店で中さんと合流したのですよね?」


「そうだ」


「そのお店ってどこなのですか?」


俺達の行き付けなのだと、照さんが最後に口にしていた。


「言わねぇ。
中だけじゃなく、俺も時々顔出してる店だ。
お前にうろつかれたら俺も迷惑だ」


そう凄んだような表情をされ、やっぱりこの人怖いな、と怯んでしまうけど。


「教えて下さい!
中さんに会いたいんです!
きっと、会わせて下さいってお願いしても、千里さんは中さんに会わせてくれませんよね?」


「ああ」


「なら、せめて中さんと会える可能性のあるそのお店だけでも教えて下さい!」


私の熱意がちょっとはこの人に伝わったのか。
ほんの少し、この人の表情が和らいだ。


「なら、初日の今夜、1つでも場内指名を取ってみろ」


「場内指名?」


それってなに?といった表情で言う私に、千里さんはため息を吐いている。


「ザックリ言うと、フリーで来てる客から、指名貰え。
とりあえず、フリー客のテーブルに付けるように秋山に言っとく」


そう説明されても、ちんぷんかんぷん。
後でググろう。
そして、そのあきやまって誰だろう?


と、思っていた時に、この部屋の扉がノックされ、千里さんが返事を返すと、失礼します、と扉が開いた。


「秋山、ちょうどお前の話してた」


千里さんは、部屋に入って来た秋山さんと思われる人物にそう言っている。
秋山さんは、ウェイターのような格好をしている。
そして、わりとイケメンで、年齢は二十代半ばくらい?