「えっ?」

 ウオーレンがなにを言っているのか、まったく理解出来なかった。

「いや、量のことだ。朝食の量が足りなかったんだろう?」
「あぁ、朝食の量……」

 彼の青い瞳から逃れるたくて、テーブル上に視線を落とした。

 ワゴンで運ばれてきたとてつもない量の食べ物は、すべてなくなった。だけど、それはわたしだけが食べたわけではない。彼も食べている。

 たぶん、彼の方がたくさん食べている。

 いいえ。彼の方が少しだけ多く食べている。

 いえいえ。もしかしたら、わたしたち同じくの量を食べたかしら? そうかもしれないわね。

「失礼な。量は、多すぎました。いくらなんでも、朝からガンガン食べるなんてこと出来ません」
「……」

 沈黙しているウオーレンに、愛想笑いを浮かべてみせた。

 だって、そうするしかないのでしょう?