「だから、おれはきみに約束させられたことを実行に移さなければならない」

 続けられたウオーレンの言葉で、ハッとわれに返った。

「ウオーレン様、その仮面を取って下さいませんか?」

 どうしていきなりこんなことを尋ねたのかはわからない。

「きみがそう言うのならかまわないが、不愉快な思いをさせるだけだ」
「お願いします。あなたの表情がわからないのです」
「わかった」

 彼は、ひとつうなずいた。それから、銀仮面に手を添えた。

 彼がいつもシャツのボタンをきちんとしめていたり、長袖のシャツを着用して袖を折ったりしないことに、いまさらだけど気がついた。さらには、手のひらや手の甲がうっすら赤くなっている。これは、気がついていた。でも、もともと真っ赤な手なのか、あるいは皮膚炎かと思っていた。だから、まったく気にしていなかった。

 火傷の跡を隠していたのね。