ウオーレンの養父は、元将軍のメイナード・サマーズという。彼は、ウオーレンの剣の師匠でもあるらしい。

 ウオーレンが幼少の頃、彼は監禁同然の生活を強いられていた。その彼を監視していた一人が、メイナードだった。メイナードは、ウオーレンの境遇を気の毒に思った、そして、彼を息子のように面倒をみたという。

 メイナードは、六十代前半くらいかしら。ウオーレンに負けず劣らずの体格で、めちゃくちゃ元気である。

 そして、彼には一度見たらけっして忘れられない特徴がある。

 顔や手や首筋など、視覚出来る肌のほとんどに火傷の跡がある。

 それが怖いとか醜いなどとは思わなかった。そんなことよりも、よくぞこれだけの火傷を負って助かったなというのが第一印象だった。

 同時に、頭の中になにかが浮かんだ。それこそ、脳内にすさまじい光がパッと広がった。

 チリチリと傷む。デジャブ? それとも、なにかのキーワード。

 モヤモヤが半端ない。

 だけど、頭の中でそれ以上でもそれ以下でもなにも起こらなかった。

 とりあえず自己紹介をしあい、テラスのテーブル席についた。