一方で、ウオーレンは怒っていた。

 くすぐったことに腹を立てたのである。

 じつは、あれはわたしのアドリブだった。

 死んでいるかどうかを確認する為に、どう考えてもふつうにやるように殴ったり蹴ったりするのはつまらない。

 だから、くすぐったのに。

 彼は、それが気に入らなかったみたい。

 でも、彼をくすぐったとき爽快だった。

 宰相も興奮していたけれど、それとは違う意味で面白かった。

 だってそうでしょう?

 どれだけくすぐったいのか想像に難くない。

 人間のこそばゆく感じる箇所を重点的に攻めたから、ウオーレンは究極にこそばゆかったはず。彼ったら、ガマン出来なかったはずなのに。

 しかし、彼はそれを必死に耐えていた。それを想像すると、面白くてならなかった。

 彼がくすぐられるのが苦手なのは、何かの拍子に気がついていた。羽根ペン攻撃にしたのは、それもあった。

 これって、ウオーレンに対するざまぁかしら?

 それとも、ちょっとお茶目なイタズラかしらね?