「宰相閣下。忙しいのに時間を割き、わざわざやって来たのです。とっととさっさと用件を言ってもらえませんか?」

 だってそうでしょう?

 くだらないいちゃもんをつける為に呼びつけたのだったら、ちょっぴり暴れてしまいたくなるかもしれないわ。

「な、なんだと? それは、こちらの言う台詞だ。まぁいい。話というのは他でもない。マキエ・デュランベルジェ」

 右頬、それから左頬を平手打ちされたような衝撃を受けた。

「フフフ。ハーッハッハ! 驚いたか? いいぞ。驚け。そして、スカンラン帝国の名宰相だと讃えよ」

 彼は、立ち上がってふんぞり返った。

 でっぷりしたお腹を人差し指で突っついたら、そのままうしろにひっくり返って起き上がることが出来なくなるに違いない。