「…じゃあ、その口紅塗ってもいい?」 「口紅…ですか…?」 僕の予想外の言葉に目を丸くして、動きが止まった。 「…ん、ちょっと口閉じてて」 「あ…はい」 小さくて形のいい唇。 芙羽梨に合う色はピンクだとずっと思っていた。 その勘は、やはり当たったらしい。 「…うん、できた。可愛い」 潤いと艶が出て、ぷるんとした唇になった。 芙羽梨の白い肌と相まって、とても綺麗。 「…ねぇ、芙羽梨」 呼びかけると、芙羽梨は僕だけを見つめた。