「僕らもそろそろ帰ろうか」
委員長の言葉にこの抗争は終わったのだと実感する。
「そういえば、どうしてここがわかったの?」
GPSが仕込まれた狼は私も新那も持っていなかった。
新那もきっと私と同じように手放すよう言われたのだろう。
「狂猫の姫が水瀬さんの弟の同級生だってわかったあと、嫌な予感がしたから狂猫側に協力者を送り込んだんだ。チーム内の人間がコロコロと入れ替わる狂猫だから簡単だったよ」
委員長が遠くにいた人物を指さしながら話してくれた。
「なるほど……」
「水瀬さんを連れ去った男を捜すのは苦労したけど、その後はすぐに姫にたどり着けた。水瀬さんのおかげだよ。ありがとう」
「いやいや、そんな……」
「本当は今日、怜央の口から姫について話してもらう予定だったんだけど、まさか先に香坂が動くとはね。水瀬さんたちのGPSをオンにしたら変な場所で止まってたから、怜央たちには直接狂猫のアジトへ向かってもらったんだ」
私は櫻子さんが作った狼にもずっと護られていたんだ。
闇狼のそばにいなくても力になれる彼女には一生敵わないな。
「櫻子さんって本当にすごいや。早く取りに戻らないと」
私がそう口にすると、怜央と委員長が声を揃えて「なんで櫻子?」と首を傾げた。
「だって、あの狼って櫻子さんが作ったものでしょ?」



