「なんでお前ばっかり慕われるんだよ……。闇狼の奴らはどれだけ金を積んでも“蓮見蓮見”って俺に見向きもしなかった」
香坂は闇狼のようなチームを作りたかったのだろうか。
それなら、怜央に固執していたのにも納得がいく。
「本物の仲間がほしいなら、金に頼ったり、卑怯な真似すんな。てめぇの言葉で、行動でチームを引っ張るんだよ」
怜央の言葉が香坂に届いたかどうかはわからない。
けれど、香坂は狂猫にとってもう何の価値もなくなった美李亜の肩を抱きながら倉庫を後にした。
その様子を隣にいた志貴が黙って見つめる。
「あの志貴……色々と話さなきゃいけないことがあって」
「大体のことは新那から聞いた。それよりも入井の奴、月曜学校来るかな」
「……どうだろう」
「俺、どうしても入井が悪い奴だとは思えないんだ。俺のこと嫌いなのは事実かもしれないけど、入井との思い出が全部嘘だとは思いたくない。……こんなんだから俺、騙されるのかな」
「この中であの子のことを一番知ってるのは志貴だよ。だから、志貴が思う彼女を信じればいいと思う」
「ありがとう姉ちゃん」



