「スーツを着てた男も仲間?」
「は?あんな奴が仲間なわけないだろ」
顔を合わせてからずっと薄っぺらい笑顔を張り付けていた香坂が一瞬だけ表情を崩した。
「じゃあ、何なの?」
あの男は私が意識を失う直前に『これで許してもらえますか?』と頭を下げていた。
金で雇われている人間の行動とは思えない。
「あいつは罪を犯した。それを黙っててやる代わりに仕事を任せたんだ」
「罪って…………?」
「うちの姫をしつこく口説いた罪」
「たったそれだけのことで?」
「たったそれだけのこと?ロリコン野郎には甘いくらいだよ」
香坂はあの男に対して、よほど強い恨みがあったのか「あんなのじゃ生ぬるかったな」とつぶやいた。
仲間を金で雇う人間が、そこまで大切にする姫って?
闇狼は現在も狂猫の姫の正体にはたどり着けていない。
ここで私が情報を引き出せば、皆の役に立てるかもしれない。
「大事なんだね、姫が」
「まぁね」



