次に目に入ったのは縛られた両足。
両手も同様に縛られているせいか、動かしてもびくともしない。
「どうなってるの……!」
肩を揺らして立ち上がろうとする私の元に男がやってきて、しゃがみこんだ。
「初めまして蓮見のお姫様。つっても俺は何度も君のこと見かけたことがあるけど……君は俺のこと知ってる?」
男と目があった瞬間、私は息を呑んだ。
金色に染められた髪に細い眉、鋭い眼光。
一度、写真を見ただけだが、はっきりと覚えている。
『これが香坂です。いずれ瑠佳さんに接触してくると思うんで、顔を覚えておいて下さい』
────今、私の目の前にいる男は狂猫の香坂だ。
「狂猫……の香坂」
そうだ……!冬馬くんとの下校中に変な布を顔に当てられて、そこから意識を失ったんだ。
さっきまで思い出せなかった記憶が、次々とよみがえってくる。
「知っててくれて嬉しいよ。だけど、香坂じゃなくて香坂さんだよね?」
香坂は笑顔を浮かべる一方で、拳を高く振り上げた。



