そして――着いたのは、太い柱さえも炭になって黒焦げになった、私が住んでいたアパート。


屋根も壁面も何もかもなくなっていて、本当に柱しか残ってない。



「見つかると、いいんだけど…」



幸いにも、私の部屋は少しだけ原型が残ってる。一階の一番端。「立ち入り禁止」と書かれたテープをくぐって、部屋があった場所へ近づく。


ジャリと炭を踏み潰す音をさせて、まだ煙たい空気を吸いながら、たどり着いた私の部屋。


ほとんどは炭になりながらも、少しの希望を抱いて……近くにあった硬い木の棒で、ガリガリと黒い炭を掘って避けていく。



「結構…力がいる…っ」



力を込めてガリガリ…。誰かに見つかると怒られるから、夕日の明かりだけを頼りに探し求めた。