「今から作るのは、うちわです!はい、これ材料」

「うちわ?大きいねぇ。あとは…文字?これも大きい…」



しかも「れ」と「お」の二文字。どうやらレオの物を作るみたい。クウちゃんはレオ推しだから、当たり前か。



「全て百均で揃えられる素晴らしき世界…。というわけで、さ!作るよ!」

「応援グッズって…それは何に使うの?」



首をひねっていたら、クウちゃんが「こう使うのよ」とニヤリと笑った。そしてマイうちわを取り出して「レオー!こっち向いて―!」と教室内のため、やや控えめな声で叫んだ。


ゴテゴテに装飾されたカラフルなうちわ…思わず私は顔を青くする。




「…ひぇ…!」

「こら、悲鳴をあげるな。このうちわは、コンサート中、推しに振り向いてもらうために使います。あとは、単純に応援したいって気持ちかな!」



「応援…?」

「そう!やっぱ推しには頑張ってほしいじゃん?だから愛のパワーを送るビームなのよ!このうちわは!――大丈夫、私が手取り足取り教えてあげるから」



バチッとウィンクをしたクウちゃん。私は「あ、ありがとう…」と控えめに笑うしかなく…。そして黙々と、作業に取り掛かる。


「ここはこう」「そこは貼って」とか、クウちゃんの見事な指導のおかげで――うちわはすぐに完成した。見た目かなり大きい。そして…目立つ…!