「なんで…今日は遅いって…」
「抜けて来た、またすぐ戻る」
「え、じゃあ…」
何のために帰って来たの?あ、忘れ物?
尋ねた私を見て、皇羽さんは少し不機嫌そうに眉を寄せた。
「どっかのネコが悪さしてねぇかなって確認だよ。でも泥棒ネコがいるとはな」
「な!またネコですか…!」
皇羽さんの腕の中でプンプン怒っていると、皇羽さんは「ウソだ」と。私を抱きしめる力を強くした。
「萌々が…今日、ここに帰ってきてくれるか心配で……いてもたってもいられなかった」
「!」
「そしたら…いた……。なんだよ、お前…。出て行くみたいな事を言いやがって…ちゃんといるじゃねぇか…っ」
「(~っ、なんで、そんな切なそうに言うの…?)」
皇羽さんの声が震えているのを聞いて、私の心も震え始める。