「久しぶりの学校だってのに…」



朝イチで涙で顔をグチャグチャにしてしまった。あぁ、もう。何やってるの私…!


急いでふき取らないと!とハンカチを出そうとした、その瞬間。


ガチャと、後ろから音が聞こえる。それは、当然。皇羽さんの部屋の扉が開く音で…



「忘れ物」

「え…?」



皇羽さんはそう言って、櫛で溶かしただけの私の髪を一つに束ね始めた。


ん?え、皇羽さん?何をやってるの?


不思議に思っていると「出来た」と耳の近くで皇羽さんの声…。いや、無駄に声が良いから困る…!



「皇羽さんどうしたんですか!急にビックリしますよ…⁉」



急いで距離をとって、扉とは反対側の壁にペタリと引っ付く。


すると皇羽さんは玄関扉に寄りかかり、腕組みをして私を見ていた。そして、