すると――



「悪い子だな、お前」

「⁉」



ビックリ…した…‼

だって開いたドアの先に、誰かの目と口があって、オマケに喋ったんだもん!



「ひっ…!」



悲鳴が出た私の前で、扉が大きく開く。そして現れたのは…



――そう仲直り。ほら、目ぇ閉じろ
――え、ンッ…!?



あのイケメンキス男だった。



「な、んで…あなたが…!」



外で会った時は帽子をかぶっていて分からなかったけど、黒色の髪の毛だ。少し猫っ毛っぽい。そして黒の瞳。


その“黒”がイケメンの邪悪度に拍車をかけてる…。「つれねーなぁ」と笑うその顔は…見事な悪人ヅラ。



「キスまでした仲だってのになぁ?」

「だからです!”警戒”って言葉を知ってます…⁉」



横目で、ソファの上にクッションがあるのを見つける。よし、これで…!