「なんか音楽聞こえてこないか?」

「音楽?」

私はお父さんに言われたとおり、耳をすまして見ると、聞きなれた音楽が耳に届いた

「あ、これ達哉が組んでるバンドの曲だよ」

「達哉、バンドやってるのか。父さんも聞いてみたかったな」

「ここにいる時は聞こえるんじゃないの?」

お父さんにそう疑問をぶつけてみると、お父さんは

「もう俺は死んでるからあまり音楽は聞こえない。でも達哉も琴美も蛍もみんなのこと、ここから見てるから、見えないだけでずっと琴美たちの隣にずっと付き添ってるから。安心しろ」

お父さん……ありがとう

「琴美、倒れてから何日経ったと思う?」

えっ、1週間とかじゃないの?

軽く1週間は経ってると思うんだけど

「起きたら驚くよ。父さんはもう知ってるけど、琴美に最初に伝えたら驚きが最小限になると思う。だから、起きてからの楽しみだ」