「あ、達哉…探してたのよ」

「姉貴?」

なんで姉貴がそんなに慌ててるのか分からないけど、何かあったのだろうか

「琴美が目を覚ましたとか?」

「あ、ごめんそれはまだなんだけど」

なんだ、と肩を落とした

「お姉ちゃん、会社に忘れ物してきちゃったから会社に戻るんだけど、蛍さんが達哉を探してたのよ」

「え、蛍さんが?」

姉貴は『あとよろしくね』と言い残し、病院を後にした

「蛍さん、話があると聞きましたが」

「あぁ、俺今日ここに泊まることへの許可貰ったけど、お前はどうする?」

俺か、姉貴に先に家に戻ってること伝えてから帰ろうかな

「今日は一旦帰ります。明日は仕事入ってないからまたお見舞いに来ようかなと」

「そうか、分かった。じゃあまた明日よろしくな。琴美の着替えには母さんが言ってくれてるから伝えとくよ」

「ありがとうございます」

俺はお礼を言ってから病院を後にした