私の目にはとめどなく溢れる涙

「響希さんってこんな歌声してるんだなー」

私は音楽を聴いていて、兄が入ってきたことにも気が付かなかった

「こと、み…」

「…グズッ、あれ、おにいちゃ、ん?」

兄は何も言わずに私を抱きしめて、頭を撫でてくれた

数分後、私は落ち着いたから兄から離れると

「俺も聞いてみたが、凄くいい曲だな」

「鮫島くんがギターなのは少し残念だけど、めちゃくちゃいい曲だよ。お兄ちゃんも聞いてみてよ」

私は兄にそう問いただすと

「琴美が全部聞き終わったあとに貸してくれ、俺も聞いてみる」

「うん、分かった。初めて聞いたけど『あなたに捧げる、輝く星』と『Warning Shot』いいよ」

私がおすすめを言うと、お兄ちゃんは

「あぁ、分かった。覚えておく」

兄の手つきはどこか優しくて、何故か顔を伏せてしまった