「えっ」


後ろのほうから突然声がして振り向くと、そこには呆れ顔の櫂がいた。


櫂ったら、いつの間に戻ってきてたの!?


「真絢、ひどい顔」

「……っ、誰のせいだと思ってるの?!」


私がこんな顔になってるのは、櫂のせいじゃない。


「こっちはご飯作って待ってたのに。こんな時間まで帰って来ないで……!」

「ああ、それは悪かったよ」


櫂が珍しく、素直に謝ってくれた。


だけど、一度口をついて出ると色々と止まらなくなった。


「ほんと、何様なのよ? いつも家事も全然手伝ってくれないくせに、自分だけ遊びまわって!」

「はぁ? 真絢、今度はいきなり何なんだよ」


櫂は明らかに戸惑っている。


「それに、いつも料理も掃除も洗濯も、私ばっかり……! ちょっとくらい何か手伝ってよ」


日頃の不満がつい爆発してしまった。


「黙って聞いてたら、何なんだよお前は。さっきから、言いたい放題言いやがって。そんなに俺が嫌なら真絢……俺とパートナー解消するか?」