その日、アドラム王国の若き国王コリン・スティントンが宮殿の階段上で行った宣告が、わたしを殺した。

 肉体的にも精神的にも。

 そのたった数分前まで、わたしはコリンを心から愛していた。しかも、ずっとずっと。それこそ、まだ幼い時分に「おまえは王妃になってコリン王子に添い遂げるのだよ」とお父様からきかされてからずっと。だからこそ、幼少から厳しい王妃教育を熱心に受け、王妃になることに情熱を傾けた。そして、王妃になってからはつねにその責務を負い、努力をし続けた。