今さらでも遅くない、帰ろうと思った。 家に帰ってケーキでも準備して、柊を迎えようと思った。 そんな中…… 到着ロビーのドアが開き、スーツを着た選手が歩いてくる。 テレビでよく見る監督に、よく知った選手。 柊がすごいとか尊敬しているとか、会ってみたいと言った選手が歩く。 あたしはもみくちゃにされ、バリケードと人の間で潰され、立っているのがやっと。 そしてこんな哀れな姿を、絶対に柊に見られたくないと思った。