なんでなんでなんで!?


あんなに冷たく突き放すくらい私のことが嫌いなら、どうしてキスなんてしたの!?


誰もいない校舎裏はジメジメとしていて太陽の光も届かない。


地面は年中ぬかるんでいて、足元が悪かった。


そこまで走ってきた私はもう立っていることもできなくてその場にうずくまってしまった。


今まで我慢してきた感情が一気に溢れ出して涙がこぼれだす。


「うぅ……っ」


子供みたいに嗚咽を漏らして両手で顔をおおって泣く。


私と一緒にいるときはあんなに楽しそうに笑ってくれていたのに、あれも全部ウソだったの……?


もうなにを信じればいいのかわからなくなっていた。


それなのに聡のことを嫌いになりきれていない自分がいて、そんな自分が一番キライだ。


友人らの前で言っていたことが本心だとしたら、聡は本当に最低の人間なのに!


「理恵!!」


名前を呼ばれてビクリと体を震わせた。