ん…

ここは、病院か?

「いっ…」

起き上がろうとすると、お腹に痛みが走った。

そっか。

俺、刺されたんだ。

ガラッ…

「兄貴。目が覚めたのか」

龍と親父とお袋が入ってきた。

「さっき目が覚めた」

「ごめんな、兄貴。俺を庇ったせいで…」

龍が、弱気な声で謝ってきた。

「お前のせいじゃない」

「大鳳組の仕業だな。あの男も、大鳳組の組員だ」

やっぱりそうか。

「そういえば、鈴は?」

さっきから、鈴の姿が見当たらない。

「まだ会ってないの?」

お袋が聞いてきた。

「鈴ちゃん、病室残るって言って残ってたんだけど、お手洗いにも言ってるのかしら」

嫌な予感がした。

「龍!今すぐ、マンションに行ってくれ!」

龍に鍵を渡し、マンションに向かわせた。

龍は、走って病室を出ていった。

親父も、本家に電話した。

「本家には、来てないみたいだ」

本家には、行ってない。

だったら、マンションか?

ここからマンションまでは、車で5分。

龍の事だから、走って行っただろう。

♪〜♪〜

「どうだった!?」

「マンションにもいない」

鈴…