「今日のお昼会社行けないので、お弁当作っておきましたよ」

「ありがとう」

「スーツ、早速着てくれてるんですね」

「当たり前だろ」

今日から、新学期。

高校3年生。

3年はクラス替えがないので、龍とは同じクラスだ。

始業式が終わり、教室に戻った。

この後、進路説明会があるので、また体育館に移動しないといけない。

始業式だけでいいのに。

お昼、暁さんと食べたかったな。

「進路説明会行く前に、転校生紹介するぞ」

担任の先生が来た。

転校生?

高3なのに?

私と龍は、興味がなく2人で喋っていた。

「ねぇねぇ。イケメンじゃない?」

「私、あの人パーティーで見たよ」

「私も、見たことある。確か名前って…」

クラスの女の子たちが、ザワついていた。

パーティーって事は、転校生は財閥の人なのかな?

「あ、思い出した。大鳳 空雅さんよ。大鳳財閥と大鳳組の息子の」

ドクン…!!

まさか…!

前を見ると、空雅がいた。

「おい、鈴。あれって…」

龍が話しかけてくるが、頭に入ってこない。

冷や汗が、止まらない。

「先生。コイツ体調悪いらしく、俺とコイツ早退します」