「香純、知り合いか?」

多分、暁さんのお父さんであろう人が聞いてきた。

暁さんに、似てる。

「ほら、昨日言ったじゃない?親切な女の子がいたって。隼人も龍も暁も、買い物行こうって言っても断られたから、1人で行ったら荷物多くなっちゃって、タクシー乗り場まで運んでくれたの」

「香純が迷惑かけて、すまなかったね。父親の隼人です」

暁さんのお父さんが謝ってきた。

「木下 鈴です。いえ、迷惑だなんて…」

本当に、たまたまだったしね。

「暁さん、買い物誘われてたんですか?」

初耳なんだけど。

「あぁ。けど、鈴といたしな。だから、龍に頼めって言った」

「俺も断ったけどな」

「酷い息子たち。鈴ちゃんが暁の彼女なら、大歓迎よ!私の事は、名前で呼んでくれていいからね!」

「俺の事も、名前でいいから」

あっさり受け入れてくれた。

「とりあえず、お袋も親父も座れば?」

龍が言った。

多分5分ぐらい、立ち話していた。

その間、組員さんたちも立ちっぱなしだった。

暁さんの横に隼人さん、その横に香純さんが座った。

私たちが座ると、組員さんも座った。

暁さんは立ち上がり