「あはははっ」

路上で踊ってる若者。

「ねぇ、俺たちと遊びに行かない?」

ナンパしてる男たち。

「5万でいいよぉ?」

援交しようとしてる女子高生とおじさん。

ここではどれもよく見る光景だ。

キャバクラやホストクラブ、飲食店など多くある繁華街だ。

「ご馳走様でした。今日はありがとうございました」

「こちらこそ、久々に一緒に食事できてよかったよ。ハイ、これね」

私は男から、封筒を受け取った。

「ありがとうございます」

「じゃあ、また連絡まってるよ。鈴ちゃん」

男はそう言って、立ち去った。

私は封筒の中身を見た。

3万か。

まぁ、ご飯食べるだけだし。

封筒から取りだし、財布にしまった。

私の名前は、木下 鈴。

高校2年生。

親はいない。

小さい時から施設にいて、高2になって施設を出た。

今の人は、名前しか知らない。

恋人ではない。

世の中で言う、援交みたいなもんだけど、私は一緒にご飯食べに行くだけだ。

ご飯代も浮くし、その上お金が貰えるなら一石二鳥。

施設は高校卒業まで見てくれるけど、私はあることがきっかけで、早く施設を出たくてお金を稼ぐため高1からしている。

今日は、帰ろう。

ん?

繁華街の出入口、やたらと人が集まってるな。