だけど、その日の放課後、私が帰りの支度をしていたら、

「白金」

いきなりソウくんが私の席までやって来て、声をかけてきた。

「……っ! な、なに?」

ドキドキしながら答えると、真顔でこう口にしたソウくん。

「ちょっと、聞きたいことがあるんだけど」

それを聞いた瞬間、なんだかとても嫌な予感がした。

どうしようっ。聞きたいことって、まさか……。

「え、えっと……」

だけど私がオロオロしていたら、その様子を見ていたクラスメイトの女の子たちが。

「ねぇ、ソウくんがまたアリスちゃんに話しかけてる!」

「えーっ。いいなぁ、アリスちゃん。うらやましい~」

「今日の授業中もそうだったけど、あのふたり、なんかあるのかな?」

うぅ、まずい……。ソウくんと一緒にいると、女子からの視線が痛いよ。

だってソウくんって、あんまり女子と絡まないことで有名なのに。

それにもし、今日の事件のことについての話だったら、この場所で話すのはちょっとまずいよね。