(何でこいつは俺が見えるんだ。こいつのせいで調子が狂う)

ラーグリマの姿が何故かローガンには見える。こんなことは今まで一度もなかった。そのため、互いに戸惑いながらも不思議な同居?生活を続けているのだ。

ローガンはいつも絵を描いている。病気に侵されているその体で描かれる絵は、いつもラーグリマの心のどこかを動かしてしまう。

ローガンの背後から絵を見れば、宝石のような星たちがキャンバスの中でも煌めいている。吸い込まれてしまいそうなほど美しい絵に、ラーグリマの心は「この景色の中に入り込みたい」という思いに駆られていた。

(この感情は何なんだ……。人間の感情ってこんなに名前がわからないものだったか?)

キャンバスに絵の具が塗られていく。それに合わせるようにラーグリマの心にも、新たな感情の色が溢れていった。