エレベーターを待つより速いと思って、
俺は転がり落ちるように階段を降りる。
1階に着いた時には完全に息があがっていた。
もう、マンションの外へ出てしまったかと思ったけど、
北川さんはエントランスにいた。
スマホを見ている。
「はぁ……北川さん!」
「っ…!!」
北川さんは俺の方を、
驚いた顔で振り返った。
「…加瀬さん……」
「はぁ…はぁ…俺…」
俺は北川さんの目の前に立つと、
彼女はスマホを両手で大切そうに
握りしめた。
「さっきの…LINE……」
「はぁ…ふぅ…」
上がった息を整えようと深呼吸をする。
「…え?…何?」
「LINEです」
北川さんはそう言うと、
俺からのメッセージを開いて、
スマホを突き出した。



