「よく寝れた?」
「はい!」
「よかった」

俺は北川さんの発芽した前髪を撫でた。

「加瀬さん…あの…」
「ん?」
「今日、何か予定ありますか?」
「あー、服でも見に行こうかと思ってたけど何で?」
「あの…」

北川さんはうつむいて、
もじもじし始める。

「その…えっと…よかったら…
私も…お供させてもらえませんか?」
「え?なんで?」
「特に理由はないんですけど…」
「俺が服選ぶのみたいってこと?」

なるほど、イケメンが一体どこで
服を買ってるのか、
気になるわけだ。

「それもそうですけど…
もっと一緒にいたい…からです」
「え」
「ダメですか?」


ダメなわけないじゃん。

「デート?」
「ち、違いますよ!
お供です」
「別にいいよ」

北川さんが俺とデートなんて
するわけないか。