「飲み込み悪いね、俺達…
一緒に住むんだよ」



海藤の軽い悪態なんか、気にかけてられない。
頭ん中が、ごちゃごちゃだ。
緋彩を見たら、緋彩は赤面して手をモジモジしていた。


堂々としていて、普段大人びていた緋彩を
ここまで可愛く出来る海藤に
少し……ほんの少しだけ妬いた。


「緋彩……ほんとに?」


海藤の口から出た言葉なんか、
信じられないーー。

欲しいのは………
緋彩の"違うよ"って言葉だけだ。





緋彩は、小さな時からずっと一緒にいた
幼なじみ。。


緋彩の知らないことなんか、1度も無かった。

だけどそれは、中学までの話。


中学を過ぎた辺りから、どんどん可愛くなる緋彩。


追いつけなくなるぐらい………遠くなった。

誰かに必ず1日は
告白されて…だけど何故か彼氏を作らない。
男嫌いまで、噂されていたのにーー。
横に無条件で居られる自分は"特別な人間"だと
勝手に解釈していた。