どうも、噂の悪女でございます


「恐れながら、聖女様による浄化が間に合っておらず西の外れに不浄の傾向が見られます。このままでは魔物が出る可能性もあります」
「メアリーは聖女になったばかりだ。慣れないことも多い。お前達でなんとかできないのか」
「浄化の力は、聖女様にしかありません」

 神官は首を横に振る。

「聖女ならもうひとりいるだろう」

 イアン王子は眉を寄せる。
 今現在、この国には聖なる力を持った聖女がふたりいる。王妃様と、メアリーだ。

「恐れながら殿下。王妃様はメアリー様が聖女になられてからもう三カ月以上、自分の役割以上のことを果たしていらっしゃいます」

 背後からそう諫言したのは、イアン王子の側近であるダレンだ。それに同意するように、神官達も全員が頷く。

「もうよい。この役立たず共が! 俺が直接、母上に話す」

 イアン王子は憤慨してそう言うと、王妃の元へと向かった。