どうも、噂の悪女でございます

 
 マーガレットはきょとんとしてダレンを見返した。

「ああ。きみはずっと働きっぱなしに勉強しっぱなしだっただろう? 息抜きだ。もうイアン殿下の婚約者でもないのだから、俺と出かけてもいいだろう」

 ダレンは朗らかに微笑むと、マーガレットに手を差し出す。

(息抜き?)

 言われてみれば、これまで十数年、毎日が全力疾走だった。
 ダレンの心遣いに、なんだか気持ちがむず痒い。

「ありがとうございます」

 マーガレットは戸惑いつつも、そこに手を重ねる。
 こんな日も、たまには悪くないと思った。