忙しい1週間が過ぎ、週末が来た。

今日は果穂の地元で結婚式場を探す為、
土日だけ2人で実家に帰る。
朝から果穂は、荷物をまとめてソワソワばたばたしている。

「翔さん、ここよりきっと暑いから着替え多めに持って行った方がいいよ。」
のんびりタブレットを見ている翔に声をかける。

「そんなにいっぱい持っていかなくても、
足りなかったら向こうで買えばいい。」
翔のカバンは本当に小さくまとまっている。
2泊3日でそのサイズ?って心配になるくらい。

仕事で出張に慣れているのもあるけど、
多分、根っからの御曹司ぶりが荷物量に出るんだろうなと、果穂は思う。

足りなかったら買えばいいって、
一般市民はまず考えない発想だなって思う。

「果穂、そろそろ出ないとヘリが来る。」

そう、果穂は今日初めてヘリコプターに乗る。
実家に帰るのに、車や新幹線、高速バスは思い付いても、ヘリコプターって…。

この発想が出てくるのも御曹司ならではなのかも。

「ごめんね。お待たせしました。」

果穂の荷物はどう頑張っても、
翔の荷物の倍のサイズになってしまった。

翔は2つの荷物を持ち果穂を玄関で待つ。