そして、待合室に待たせていたお兄ちゃん達にサプライズを打ち明ける。
「お待たせしました。
これから、このホテルの屋上で可奈さんとお兄ちゃんの模擬結婚式をしたいと思います!」
楽しそうに果穂が言う。
「はぁー⁉︎
聞いてないんだけど?なんの事?」
兄はそう言ってびっくりする。
可奈もなんの事か分からない顔をしている。
「実はね。翔さんがこの上の教会を押さえてくれてるの。可奈さんお腹に赤ちゃんがいるから、
この先、結婚式ってなかなか難しいでしょ?
だから、写真だけでもって思ってて、どうかな?」
意外とプライドの高い兄は渋い顔をして、
なかなか、うんと言わない。
翔は、不穏な空気に余計な事をしてしまったのかと、しばらく全貌を見守る事にする。
「うそー⁉︎私、ドレス着れるの⁉︎」
状況をやっと捉えた可奈さんが歓喜の声を上げる。
「赤ちゃんいても着れるドレスあるの?」
「うん。用意してくれてるみたい。」
「本当に⁉︎嬉しいーー。」
可奈は感無量で、果穂に抱きついてくる。
「あ、赤ちゃん、赤ちゃん潰れちゃう…。」
慌てて果穂は、一歩退くがぎゅっとされて身動きがとれない。
「元はと言えば、亮太が結婚資金使ってパチンコするから結婚式が遠のいたんだよ?
形だけでもいいからウェディングドレス着て写真撮りたい!
生まれてきた子に見せたい。
やりたい、結婚式。」
「そうだよ、やろうよ!
結婚式なんて何回も出来るのは社長さんぐらいだよ?
せっかくのチャンスを、くだらないプライドで逃しちゃダメだよお兄ちゃん!!」
里穂がそう言って後押しする。
「そうだぞ、亮太。
お父さんは是非にって翔君の提案に乗って、実は既に可奈ちゃんの家族も呼んであるんだ。
お前のちっぽけなプライドなんてものは、ごみばに捨てちまえ。」
酔っ払い気味の父は、いつになく強気な発言をする。



