重たい頭をなんとか上げてベッドに座る。

そのタイミングで果穂が寝室に顔を出し、
「おはようございます。翔さん、大丈夫?」
とそっと側に来て翔の事を心配する。

「おはよう…。」

昨夜の記憶が曖昧な翔は、痛む頭をなんとか働かせて記憶を辿る。

「昨日の夜は…俺…何時に帰ってきた?」

果穂は隣に寄り添い座りながら、
「1時過ぎに、お義父様の秘書の方がここまで連れて来てくれたの。覚えてない?」

翔は頭に手を当てて考える。
「かろうじて…果穂の顔を見てホッとしたのは覚えてるが……何か迷惑かけたか?」

「ううん。可愛かったから大丈夫。
頭痛そう…何かお薬探してくるね。」
そう言いながら果穂は微笑み、薬を探しにそそくさと行ってしまう。

可愛かった⁉︎どう言う事だ⁉︎

翔は思い出せない昨夜の失態に、
頭を抱えながら、なんとかベッドを抜け出しシャワーを浴びにと洗面所に向かった。

熱いシャワーを浴び、さっきよりは幾分マシになった頭で昨夜の記憶を辿ってみる。

確か、最後は親父と呑んでいたはずだから、
他人には失礼は無かった、と、思う…が…。