お店を後にして、1人タクシーで家に帰る。
出来れば女性の運転手をとお願いしたが、
残念ながら出払って男性のベテラン運転手だった。

タクシーに乗車中ずっと動悸が止まらなくて手が震えてしまう。

体調が悪いのかと、運転手さんに心配されるくらい顔色も悪くなってしまった。

明日、こんな風で大丈夫なんだろうか?
自分自身に心配になる。

どうしようも無く落ち込んで、家に着いてもしばらくソファから立ち上がれなかった。

翔さんの妻として、恥ずかしく無い様に振る舞いたい。
だけどそんな不安定な気持ちを翔さんに悟られたくない、心配させたくないと思ってしまう。

夕飯の支度をしながら、やっぱりその事が頭から離れず考え込んでしまう。 

何故か涙が出てきて情緒不安定になってしまう。
翔さんが帰って来るまでに立て直さなくちゃ……
どうしようも無く不安になって、部屋に籠りお兄ちゃんに電話をする。